仲良しこよし…???

ある日の事。ドイツ語と英語のあったあの日、何故か急にラーメンが食べたい衝動に駆られた。『うーむ、ここは<光麺>にでも行くか…?』と思ったのだが、ある百貨店で北海道物産展を開催していたのを思い出し、『ここはご当地ラーメンでも…』といそいそと催事場に赴いたのだった。この日はどうやら<信玄>と言う名のラーメン屋さんらしい。普段は滅多に行かない北海道…そこでのラーメンが手軽に味わえるのが、ラーメンの他にちょっとした魅力と誘惑を加えていたと思えてならない。。。


ご飯時間をかなり外れた時間帯だったので、結構すんなり入場…食券を購入して独り席に着く。購入するは一番人気のオススメ味噌ラーメン。ちょっとワクワクする…(*^_^*)『お待たせしましたー』と運ばれてきたラーメンも予想に違わず実においしそう…ヽ(^。^)ノ一口スープを口に含むと濃厚なスープと甘みの残る後味が実にステキな感じだ♪しかし伊織的には一味欲しいトコロ…そこで目の前にあった小瓶を手に取る。2瓶あったうちの1つは他の人の手に渡っていたので、伊織は残りの1つの方の瓶のフタを捻ったところまでは良かった…そう、ここまでは<一般的な>ラーメン屋での出来事だ。


ザーッ!!


それまで見たことのある味噌ラーメン色の器の中身が、本来茶色いスープが何故か黒く化した瞬間…トキは止まった。。。思考回路が止まるとはこういうコトか…。それにしても美味しいラーメンを求めてやって来て、別物を自ら作り出していれば(本当に)世話ないのだが…味の程はどうだろう(-_-;)黒胡椒をぶちまけた味噌ラーメンを目の前に、内心「や、ヤバイ…」とは思っていたものの、ここは相席…同席の3人は見ず知らずの人々である。瞬時に(見てるかどうかは別として/笑)<丸く収まる方法>を検討した結果、「何事もなかった」事にする事にした。。。しかし、世の中はそうは上手く物事が運んでくれないのが常である。。。


お客A  『あのー、大丈夫ですか?』
お客B  『胡椒の部分を全部すくっちゃえばイケますよ!』
お客C  『まぁまぁまぁ…っ!!』


折角、伊織が何事もなかった事にしよう!と決心をしたのにも関わらず、<何事もなかった事にしてくれなかった>親切な方々が偶然そこには3名集ってしまったようだ。。。伊織の決心はどうなる…(T_T)<一般的な>ラーメン屋での出来事の約0.5秒後、こうして<一般的ではない>ラーメン屋の出来事として始まった…orz


お客A  『でも美味しいですねぇ』
お客・その他  『……(コクコクと頷く)』
お客A  『このテーブルは皆、味噌派なんですねぇ』
お客C  『醤油と迷いますよね…北海道のラーメンと言えば』
お客A  『<すみれ>の醤油ラーメン食べました?』
お客C  『えぇ!!』


一瞬前までは見ず知らずの人々が何故か和気藹々とラーメンをすすり、ラーメンについて語る奇妙なグループが出来上がっているではないか。。。もちろん、その中に伊織も含まれているのだが…(-_-;)確かに伊織も醤油ラーメンも気にはなっていた…だけどね。。。


お客A  『じゃぁ醤油も皆でちょっとずついっときましょう!!』


うっそーん!嬉しいけど、ちょっと微妙〜(^_^;)この構図に店員の目もちょっと『……?』という空気を感じずにいられない。。。太めの麺も非常に美味かったのですが、思った以上に胃にもたれてるし…。まぁ、結果的に<醤油ラーメンもちょこっとshare案>に乗っかってしまった訳ですが…そして、やはり美味しかったのですが!しかも麺が味噌ラーメンと醤油ラーメンでは違う!という芸の細かさにも驚いたのですが…。『やっぱり味噌のインパクトには負けますねぇ…』なんて、最後には馴染んでしまっている自分もどうなんだ?!(-_-;)


一見<仲良しグループ>ご来店の様にも見える、この4人…本当に見ず知らずの偶然居合わせただけの人達なんですが。我ながら『ちょっと普通、あんまりしないよな…』と思うような体験をしたような気がします。ラーメンはメッチャ美味しかったんですが…旅先での経験なら良い思い出で終ったんだろうけど…こんなに人との繋がりの希薄さが取り沙汰されている東京の日常で起こった出来事なのが狐に摘まれた気分とでも言いましょうか。。。しかしだ…。冷静になって思い返すと…


この出来事の最初の発端って、伊織が作っちゃったんだよな…(-_-;)